ニューアーク暴動から50年 元教員の女性が当時を語る

 【12日付ニューヨークタイムズ】1967年にニュージャージー州ニューアーク
市で起きた「ニューアーク暴動」からちょうど50年目に当たる12日、元教員の白人女性が、ニューヨークタイムズの取材に応え、当時の様子を語った。同事件は、白人の警官が、アフリカ系のタクシー運転手に暴行を加え死亡させたとの噂が広まったことから起きた暴動で、約1週間続き、26人の死者と700人以上の負傷者を出した。
 当時24歳のハリエット・ニバルスさんは、同市内のクイットマン・ストリート・スクールで未就園児を受け持っており、園児のほとんどは労働者階級の家庭で育つアフリカ系の子どもだった。暴動初日の朝、ニバルスさんが教室で授業を行っていると、銃声が聞こえた。間もなく州兵が現れ、園児をカフェテリアに避難させ、白人の教員は帰宅するよう指示。ニバルスさんは園児のことが心配だったが、州兵に強制的に校舎から追い出された。帰宅途中、抗議者らが商店の窓に向かって火炎瓶を投げ入れているのを目撃した。数日後に学校に戻った際、4歳児に事件について説明することは容易ではなかった。
 40年間の教員生活を終え、2003年に引退したニバルスさんは、校舎を去る際に残った教員らから「心配しないで。私たちが子どもを守るから」と声を掛けられたことを鮮明に覚えているという。

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