【20日付ニューヨーク・デイリー・ニュース】倒木によって負傷した男性がニューヨーク市を訴えていた裁判で17日、400万ドル近い和解金が支払われることで決着がついた。
ジーザス・サンティアーゴさんは2009年2月12日、ブルックリン区フラットブッシュのアベニューHを通行中、真っ二つに折れて倒れてきた大木の下敷きになった。当時52歳だったサンティアーゴさんは頭から足首まで計24カ所を骨折した他、内臓も損傷する大けがを負った。サンティアーゴさんは今でも胴部に矯正装置が必要で、市に対し、新たな被害者を出さないために樹木の管理を徹底するよう訴えた。
他にも倒木が原因で事故に遭った人が市内で複数報告されており、うち2人は死亡している。
4月には地方裁判所が樹木の管理を怠っていた市の責任とする判決を下し、サンティアーゴさん側の弁護士も1週間にわたる裁判で繰り返し街路樹の点検に関する規定が不十分であると説明していた。サンティアーゴさんが下敷きになった問題の木に関しても、住民から06年に苦情が寄せられていたものの、市は問題なしと処理していた。しかし実際には幹に30インチ(約46センチメートル)ほどの穴が開いており、木自体が弱っていたという。
24日にはサンティアーゴさんへの賠償金額を決める話し合いが行われる予定だったが、市が和解を申し出たため、385万ドル(約4億3000万円)を設定し、裁判は終了した。