【8日付ニューヨーク・デイリー・ニュース】ニューヨーク市議会の議員らが3日と4日、社会問題化している地下鉄を視察した。議員らは通勤時の混雑や慢性化した遅延、身体障がい者に「不親切」な駅などを実際に体験、利用者約2000人の生の声を聞き8日、シティーホール前の広場で記者会見を行った。
市議運輸委員会のヤニス・ロドリゲス委員長(民主)は、利用者の75%が過去2週間に地下鉄の遅延のため、「学校や仕事に遅れた」と答えたと報告。遅刻した利用者は「ペナルティーを受けたり、仕事の機会を失ったり、解雇されるなどの被害を被っている。切実な問題だ」と非難した。
また、利用者の75%が週に4回は「混雑したプラットホームで立ち往生したり車内に閉じ込められたりした」と答えたとして、アンドリュー・クオモ知事とビル・デブラシオ市長に対し、協力して問題解決に当たるよう要請した。また、補修費捻出のために超富裕層の税金を上げる市長案への支持を表明した。
ヘレン・ローゼンタール議員(民主)は、体が不自由な利用者に対する配慮が足りないと指摘した。同議員によると、地下鉄の472の駅でエレベーターが設置されているのはわずか23%で、そのうち25%は故障して使えない状態だったという。同議員は「地下鉄を全てのニューヨーカーが使えるようにすべきだ」と訴えた。