DR.高田洋平 FUNCPHYSIOの気になる体のはなし Vol.1 良い姿勢~椅子に座ったとき~

良い姿勢~椅子に座ったとき~

 こんにちはファンク・フィジオ・ジャパン(FuncPhysioJapan)の押本理映です。今回からスポーツ、パフォーミングアーツ、フィットネスを含めた体に関わるいろいろなお話をしていきたいと思います。

 初回は姿勢について。私も理学療法士になるまで漠然としか理解していませんでした。
 「姿勢が良い」という言葉をよく耳にしますが、一般に言われる良い姿勢と、私が医学的に考える良い姿勢とは違いがあります。「良い姿勢」とは、一体何が良いのでしょうか。
 私が考える良い姿勢は、骨という積み木が効率よく並び安定しているため、余計なエネルギーを使わなくてよい状態です。つまり、体を支える筋肉や靭帯がリラックスして、緩んでいる状態です。
 一方、悪い姿勢は、骨という積み木が崩れそうに並んでいるために、骨の周りの筋肉や靭帯が骨を必死に支え、多くのエネルギーを使っている状態です。ではどうすれば良い姿勢になるのでしょうか。

悪い姿勢の例

悪い姿勢の例


 背筋を伸ばす、肩を張るなどいつもよりエネルギーを使う姿勢は、リラックスとはかけ離れています。それでは、立ったときの姿勢より少し簡単な座ったときの姿勢を例に考えてみましょう。
 椅子に座ったときに簡単に良い姿勢になる方法は、片脚の膝を90度に曲げて足裏を床にしっかりと着けます。もう片方の脚は、椅子の下もしくは横に引いて、つま先だけ床に着けます。(写真1)脚を前後に開くことで、骨盤が立ち、その上に位置する背骨という積み木が並びやすくなります。お尻の左右にある坐骨より後ろに座っている人が多いのですが、「良い姿勢」とされる座り方は、坐骨より前が椅子と接触します。脚を前後に開くことで、坐骨の位置を体感することができると思いますので、試してみてください。脚が疲れてきたら、前後に開いた脚を入れ替えください。どうでしょうか?上半身がリラックスしても姿勢を保てる感覚がつかめたら良い姿勢で座ることができているはずです。

写真1

写真1

 脳と体が良い姿勢を覚えて、その姿勢を持続できることが理想ですが、初めから良い姿勢を30分保つのは大変です。気づいたときに心掛けることから始めてみてはいかがでしょうか。

押本理映 (FuncPhysio日本支部代表)
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PT(日本の理学療法士)免許を2011年取得後、大学病院で臨床経験に励む。ダンスを中心とした芸術スポーツ分野のリハビリを学ぶために15年来米。NYUハークネス・ダンス・センター、高田洋平氏の下で徒手療法を学ぶ。専門分野はダンサーのスポーツ障害。10代でロシアにバレエ留学した経験を持つ。r.oshimoto@funcphysio.com