ボディーカメラ初の現場記録 NYPD、ブロンクス区で男性射殺

 【7日付ニューヨークタイムズ】ブロンクス区エデンウォルドのアパートで6日午後4時ごろ、NYPDの警官が31歳の男性を射殺した。今年4月にNYPDが警官にボディーカメラを導入して以来、初めて銃を使用した現場の様子を記録した事件となった。
 アパートの大家から通報を受けて、ボディーカメラを装着した4人の警官が現場に駆け付けたところ、左手にナイフを、右手に何かを隠し持ったミゲル・リチャードさん(31)を発見。警官らはナイフを捨てるよう命じたが、ミゲルさんは要求を無視し、右手に隠していた銃のような物を構えたため、1人の警官がテイザー銃を、他の2人が拳銃を数発発砲した。被弾したミゲルさんはその場で死亡が確認された。その後、ミゲルさんが手にしていたのはおもちゃの銃だったことが判明している。
 NYPDの発表によると、回収したカメラには、警官らが発砲する前に時間をかけてミゲルさんに武器を捨てるよう説得する様子が記録されていたという。カメラの映像を確認したジェームズ・P・オニールNYPD本部長は7日、NYPDの上官らと協議し一般公開しないことを決定した。関係者によると、映像を公開しない理由は発砲した警官のうち1人の行動に問題があり、起訴される可能性があるからとの見方もある。
 NYPDは、年内に20の分署に勤務する警官1200人にボディーカメラを装着する予定だ。