アライグマ662匹を安楽死 狂犬病検査に批判の声

 【16日付ニューヨークポスト】ニューヨーク市保健精神衛生局(DOH)が実施している野生動物の狂犬病検査のあり方が、波紋を広げている。
 狂犬病の検査には脳のサンプルが必要となるため、検査対象となる動物は安楽死させなければならない。DOHは2014年から16年の間に662匹の野生のアライグマを対象に検査を行ってきたが、そのうち感染が確認されたのはわずか18匹だった。また、同期間中に検査対象となった野生動物は1248匹で、実際に狂犬病ウイルスが検出されたのは全体の2%に当たる23匹のみだった。このため動物保護団体などからは「殺す必要のない動物の命まで奪うこの検査方法は非倫理的だ」との批判が高まっている。
 「狂犬病の感染を予防したいのであれば、予防接種の徹底や野生動物への餌やりを取り締まる方が効果的なのでは」と動物愛護団体PETAの理事、ステファニー・ベルさんは主張。しかし、市は狂犬病を媒介するアライグマを警戒し、感染が疑われる場合は全て検査に回すことにしている。
 DOHは、「検査対象となるのは既に体が弱っていて感染が疑われる動物だけで、健康な動物の命は奪っていない」と反論している。

5-1