【26日付amニューヨーク】マンハッタン区のグッゲンハイム美術館は25日、10月6日から公開を予定している展示からいくつかの作品を撤去すると発表した。
問題となっている展示は「Art and China after 1989: Theater of the World」の中で公開予定の動画。闘犬として知られるピットブル2匹が向かい合いながら刑務所の独房内で囚人への懲罰に用いた機械である踏車の上を走っている動画や、爬虫類や昆虫が囲われた空間で捕食し合っている様子を捉えた動画などが含まれる。これらに対して、動物愛護団体などから「動物虐待である」との批判の声が上がっていた。
批判に対し同美術館は14日、声明を発表し「この展示は意図的に挑発的な作品を集めており、来場者が作品を通して自ら考えられるような内容になっている」と説明。予定通り10月に展示を公開するとしていた。しかし、動物愛護団体からの抗議だけでなく美術館前で実際にデモが起きた他、ウェブサイト上でも作品の撤去を求める請願が行われたため、同美術館は25日になって作品の取り下げを決定した。
同美術館は、「今回は作品を撤去することにしたが、今後も表現の自由は守っていく」としている。