【3日付ゴッサミスト】米同時多発テロの犠牲者を追悼するための2本の青い光「トリビュート・イン・ライト」が9月11日の日没から翌日の夜明けまで照らされるが、夜間照明が鳥に与える影響を解明するのに一役買うことになった。
米科学アカデミーの機関誌に発表された論文によると、4.4マイル(約7キロメートル)上空まで届くこの光によって、鳥は密集して飛び、スピードが落ち、上空を旋回し、さらに鳴き声も多くなる。2009年から16年の間に約110万羽が影響を受けたとされる。そのうちの多くが方向感覚を失い、墜落したりビルにぶつかったりした。一時的に消灯したときは、鳥は密集せず、通常の飛行行動を再開したことも確認されている。
毎年、約9万羽がビルにぶつかるなどして死んでいる。「この分析で、夜間に照らされる人工の光や、反射または透けるビルのガラスが影響を及ぼしていることが明白になった」と鳥類保護団体、全米オーデュボン協会のスーザン・エルビンさんは話す。同協会では対策として、野鳥が渡り始める9月からの2カ月間、マンハッタン区のクライスラービルなどで深夜から翌朝まで照明を消すことや、反射効果の低いガラスを使用することを提案している。