元気の道しるべ Story 3 【子宮筋腫、副腎疲労、類天疱瘡(るいてんほうそう) 】続木和子さん(76)

元気の道しるべ Story 1
病気になって初めて気づくこと、始めた習慣、出会えた人。
病気をプラスに捉えたら、人生が違って見えてくる。焦らず慌てず生きましょう。

 

人生とは、自分の身に起きたことに導かれ、
自分が望む方向に進んでいるものなのです。

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【 子宮筋腫、副腎疲労、類天疱瘡 】 続木和子さん(76)
静岡県藤枝市在住/ホルモン・バランス・セラピスト
www.hb-college.com

病との共存を通して米国の医学と出会い、現在も最先端の知識を学び続けている続木さん。女性ホルモンに着目した続木メソッドを提唱し、東京や大阪を中心にセミナーを開催するなど精力的に活動している。続木さんは、子どもや家族、子孫の健康を守るためにも「女性がもっと自分の体について知ることが大切」と話す。

子宮筋腫と卵巣の摘出
「小学校の教師をしていた40代半ば、教師ではない何か他のことをしないと人生後悔するだろうと思った。それがあったから、今の自分がいると思う」と話し始めた続木さん。教師の仕事は子どもたちと一緒で楽しかったが、そもそも教師になりたかったわけではないという。実家が薬局だったので、子どものころの夢は医師になることだった。しかし、高校1年と2年のとき、相次いで両親を失い、医学部進学をあきらめ、教師になると決めた。当時は両親がいないと就職が難しかったが、学校関係の仕事ならば大丈夫と聞いたからだ。
教師となり40代を迎え、新しい学校に赴任して2カ月経ったころから不正出血があった。子宮筋腫だった。いくつかの病院で診てもらったが、筋腫を「取った方がいい」と言う医師と、「取らずに様子を見よう」と言う医師とがいて、続木さんは困惑した。出血が続き、免疫も落ちていた。日常生活で不便はなかったが、カンジダのような状態でひどい痒みもあった。薬をもらっていたが、対処療法でしかなく効果はなかった。筋腫を取ることに抵抗はあったが、筋腫を取らないと貧血になって心臓に負担が掛かると医師に言われると、不安になった。家族に相談したが、夫も答えられない。結局、よく分からないままに筋腫ごと子宮と卵巣を取ってしまった。
手術後は、「これで本当に病気から解放されてパワフルになれる」と思ったが、その一方で、子宮を取ってしまった喪失感に襲われた。もう女性としての役割はない、と自分を責めた。子宮筋腫になってしまったのは自分のせいだとも思い、自責の念に襲われた。精神面だけでなく、思ってもいなかった体の変化に驚くこと
になった。夜も眠れず、ホットフラッシュ
に悩まされた。ふらふらの状態で毎日学校に行き、授業中や保護者と話していても汗が噴き出してきた。手術によって更年期障害が起こる可能性があったのだが、続木さんが通っていた病院では、手術前に、術後のリスクに関しての説明が一切なかった。

米国製サプリメントとの出会い
子宮と卵巣を取った後、急に更年期障害が出てきたことでQOLは大きく低下した。悩んでいたときに、友人から米国のサプリメントを紹介されたが、当時の続木さんはサプリメントが何かも、なぜ効果があるのかも知らなかった。勧めてくれた友人も詳しいことを知らなかった。その疑問を明らかにするために、続木さんは自らサプリメントを飲みながら独学で正常分子栄養学を学び始めた。
サプリメントのおかげで体調が改善し、栄養学を学び始めると、そのメカニズムの面白さに魅せられ、教師の仕事を辞めて勉強に専念したいと思うほど夢中になった。50歳を過ぎたときに教師を辞め、米国の大学のホリスティック医学の通信講座を受講し、カレッジコースとマスターコースの教材を6年かけて学んだ。学んだことを人に伝えたいと、栄養学に関する冊子を作り、友人に配ったところ、反響が続々と寄せられた。「次第に、お料理を教えながら栄養学のことも話してあげて、体質改善につなげるお手伝いをするようになったのよ」と続木さん。出版社からも声が掛かり2002年と06年には本も出版した。

難病と共存し癒しのパワー届ける
女性たちへの健康啓蒙活動に打ち込み13年、それまで学んだ知識と経験を広く教えたいとホルモンバランス研究所と続木メソッド・ホルモンバランスカレッジを設立。一方で、薬の副作用で副腎疲労を発症した。現在は難病指定の類天疱瘡と共存しながら、自分自身のために新しいアイデアも積極的に取り入れている。最近はパワーストーンによる細胞(体)と心、魂の癒しを学んでいる。
健康改善のためのコンサルテーションをしていて一番悩んだことは、食事や日常生活、ホルモンに着目するだけでは、体調を改善できる人とできない人がいることだ。体だけ注意していても足りないことに気がついた続木さんは、「その人の内面にも寄り添う必要がある」と、最近は、スピリチュアルな側面もコンサルテーションに取り入れている。また、「どんなことでも、やりすぎは禁物。80から90%は努力して、いい加減なところも残しておくこと。自分を追い込んでしまわないことが大切」とアドバイスしてくれた。
「人生とは、自分の身に起きたことに導かれ、自分が望む方向に進んでいるもの。まだまだ学びたいことがたくさん。100歳まで健康で、楽しく、美しく、幸せに生きるパイオニアになりたい」
続木さんの挑戦はまだまだ続く。

ホルモンバランスを整える=食事や生活習慣などに注意する

ホルモンバランスを整える=食事や生活習慣などに注意する

続木さんの元気の道しるべ
❶ 瞑想する=何事にも集中する。自分の心の中とつながることを意識する
❷ 笑う=毎日、面白い番組やDVDを観る。意識して笑うことを心掛ける
❸ ホルモンバランスを整える=食事や生活習慣などに注意する

取材・文/渡辺奈月 ヘルス&ウェルネス・コンシェルジュ。米国でファンクショナルメディスン(機能性医学)を学び、ヘルスリトリートにも多数参加。自らの体験も含め知見を深めながら健康や心のあり方に関する情報を発信し、子どもから高齢者まで健康指導も行う。ブログhttp://gogonatural.weebly.com