【11日付amニューヨーク】ロングアイランド在住のアーティスト、アレックス・ガーデガさん(48)が12日、マンハッタン区内で地下鉄の電車にひかれ死亡した。ガーデガさんは今年5月、金融街の「恐れを知らぬ少女」像の脇に片足を上げて小便をする犬の銅像を設置して、全米で物議を醸していた。
「アートは拷問だった。長年苦悩していた。創作活動で生活していけるかも分からないし、精神的にも行き詰まっていた」と話すのは弟のマーカスさん(45)。「情熱を燃やしていたし、生きがいでもあった。暗い絵を描いていたけれど、暗いものは売れなかった」と兄を悼んだ。
ダリやダビンチの影響を受けたガーデガさんは高校を卒業後、ギリシャ語とルネッサンス時代の彫刻を学び、サフォーク郡ハンティングトンの自宅を拠点に創作を開始。ガラス工芸やインテリアデザインを手掛けたこともある。問題の犬の像は、その対面にある雄牛の銅像「チャージングブル」と作者アルトゥーロ・ディモディカさんを侮辱するような少女像に抗議するためだった。当時、ガーデガさんはインタビューで「無礼じゃないかと思う」と述べていたが、犬の像は設置から数時間後に撤去された。