ハリケーン・サンディ襲来から5年 備えできているか

 ハリケーン・サンディが米東部を襲ったのは2012年10月29日。死者と被害総額はニューヨーク州53人、420億ドル(約4.8兆円)。ニュージャージー州43人、361億ドル(約4.1兆円)。大規模な暴風雨が5年に1度の頻度で起きると予測されるニューヨーク市。備えはできているか。

10月29日に火災が発生、洪水のため消火活動が遅れ100世帯が灰と化した、クイーンズ区のブリージーポイント=2012年11月13日撮影 (photo: FEMA)

10月29日に火災が発生、洪水のため消火活動が遅れ100世帯が灰と化した、クイーンズ区のブリージーポイント=2012年11月13日撮影 (photo: FEMA)

200億ドル投入 次のサンディ規模に備え
2005年のカトリーナに次ぎ、米国史上2番目の被害を出したサンディから5年。ニューヨーク市では、サンディと同じ規模のハリケーンが再び襲来した場合を想定して、これまでにさまざまな対策が講じられている。
 市の復興・災害対策室によると、ブルックリン区コニーアイランド、クイーンズ区ロッカウェー、スタテン島の「脆弱」な海岸には、連邦や公・民間セクターなどから集めた200億ドル(約2兆3000億円)を投入して砂丘を敷設。海抜の低いウォーターフロントには隔壁を追加し、洪水と暴風雨の被害削減計画を導入した。気候変動抑制の取り組みも進行中だ。