殺人事件、300件以下 50年代以降最低の見通し

 【3日付ニューヨーク・デイリー・ニュース】NYPDが3日発表したデータによると、今年の年間殺人事件数は300件以下になる見通しであることが分かった。
 今年に入ってから今月2日までの殺人事件は238件と、昨年同時期に記録した291件と比べ18%減少していた。昨年は年間合計が335件だったが、このペースが続くと、今年は280件台にとどまると予想されており、NYPDのダーモット・シェア防犯対策本部長は会見で、「市民の命を大切にする街づくりに向けての大きな前進だ」と話した。
 殺人に加えて今年は銃撃事件も少なく、同日時点で報告されているのは677件、昨年の同時期に比べ22%減少している。唯一増加したのはレイプ事件だが、「これは届け出る被害者が増えている証拠」と同本部長は前向きに捉えている。
 一方、殺人事件数には10月31日にマンハッタン区ローワーマンハッタンで起きたようなテロ事件の被害者も含まれており、記録にはテロなどに巻き込まれて命を落とした人を含めるべきではないとの声もある。2001年に米同時多発テロが発生した際はこのような処置が取られたが、今回のテロで死亡した8人は含まれるという。

3日、マンハッタン区のNYPD本部で定例会見を開いたデブラシオ市長(左から3番目)とNYPD幹部ら(photo: Edwin J. Torres/Mayoral Photography Office)

3日、マンハッタン区のNYPD本部で定例会見を開いたデブラシオ市長(左から3番目)とNYPD幹部ら(photo: Edwin J. Torres/Mayoral Photography Office)