【9日付ニューヨーク・デイリー・ニュース】ニューヨークのトーマス・ディナポリ州会計監査官が9日、ニューヨーク州都市交通局(MTA)が安定した収入源を確保できない場合、地下鉄の運賃や橋の利用料を上げる必要が出てくると警告した。
同会計監査官は、地下鉄のメンテナンスだけで年間3億ドル(約340億円)、インフラ整備には80億ドル(約9000億円)が必要だと指摘し、「資金源が確保できておらず、交通システムに支障を来す恐れがあり、計画外の運賃値上げもあり得る」と述べている。
この警告に対し、MTAのジョー・ロータ局長は、計画外の運賃値上げを否定している。同局長は、「利用者に負担を掛けることはない。同会計監査官は不必要に市民の不安をあおっている」と批判した。MTAでは、2年に1度、運賃や利用料を上げる計画を立てており、次の値上げは2019年を予定している。
アンドリュー・クオモ州知事は、市に8億3600万ドル(約950億円)に上る地下鉄改善計画の半分を肩代わりするよう要請したが、ビル・デブラシオ市長は、MTAは州の管轄としてこれを拒否。知事は、通勤ラッシュの時間帯に橋やトンネルを通りマンハッタン区に入る車両に対し追加料金を課し、資金源にすることを提案しているが、市長は富裕層への州税追加を提案するなど、MTAの資金源の確保は難航している。