【8日付amニューヨーク】繰り返される銃乱射事件などの被害を少しでも抑えるため、ニューヨーク市内にある100以上のレストランやバーが、銃撃事件を想定した特殊訓練プログラムに参加している。
昨年6月、フロリダ州オーランド市にあるナイトクラブで起きた銃乱射事件をきっかけに、ニューヨーク市警察(NYPD)はレストラン経営者らを対象に訓練プログラムの導入を開始。NYPD防犯チームのトーマス・コンフォルティ隊長によると、オフィスでの事件を想定した訓練は以前から実施されていたが、飲食店やナイトクラブなど多くの人が出入りする場所での乱射事件に備えた訓練は行われていなかったため、オーランドでの事件後、「飲食店経営者らの間で不安が広がっていた」という。
NYPDは7日、NYCホスピタリティー連盟に加盟している飲食店などを対象に、約9分にわたる訓練ビデオを公開。万が一の事態に陥った場合、中心的ポジションに立つ従業員を決めておく他、事前に非常出口を確認しておくなどの防犯策を紹介している。同連盟の代表、アンドリュー・リジーさんは、「銃乱射事件を事前に食い止めることは不可能だとしても、普段から訓練を受けていれば、万が一銃撃を受けたとしても自分の身を守ることができる」と話した。