【12日付CBSニューヨーク】クイーンズ区ロングアイランドシティにあるMoMAの分館PS1から10万5000ドル(約1200万円)相当の写真が盗まれた事件で10日、写真が返送されたことが分かった。ニューヨーク市警察(NYPD)は犯人の行方を追っている。
美術館の職員らが、写真がなくなっていることに気付いたのは10月30日の朝。盗まれたのは、現在開催されているフェミニスト作品の展示の一部であるヌード写真2点だが、これらが10日朝、郵便で美術館に届いた。NYPDによると、ブルックリン区ウィリアムズバーグにある郵便取扱店の防犯カメラには、20代とみられる女性が写真の入った大きな箱を差し出す姿が映っており、この女性が何らかの事情を知っているものとみて捜査を進めている。
PS1のパトロンらは、「盗んだ人は作品のファンで、犯行後、事の重大さに気づいたのだろう」と話しているが、「盗むという行為は彼女のアート作品に対するリアクションだ」との見解もある。
PS1には防犯カメラが設置されておらず、犯行当日は防犯ベルも鳴らなかったという。犯人は閉館するまで館内に潜んでいた可能性が高く、「警備が甘すぎるのでは」と懸念する声も上がっている。