地下鉄とバスの利用者減少 交通手段の多様化が原因か

 【15日付ニューヨークタイムズ】ニューヨーク市の地下鉄とバスの利用者数が減少している。ニューヨーク州都市交通局(MTA)が13日に発表した報告書により明らかになった。9月の地下鉄利用者は571万人で、昨年同時期より約10万人減少していた。またバスの利用者数も、同月の利用者数は194万人と昨年同時期より14万人減少していた。
 「利用者数は雇用と連動しており、利用者が増えるはずの好景気にが減少するのは、地下鉄の運営が危機的状況にあることを示している。市民は新たな交通手段を探している」と話すのは公共交通関連の市民団体、ライダーズアライアンスの代表。利用者減はまた、労働形態の変化や自転車シェアサービス「シティバイク」など新たな交通手段の増加も影響しているとされる。
 一方、MTAのジョー・ロタ局長は、「ラッシュアワーの乗車数は減少してない。利用者の減少はサービスの悪化よりも、ライフスタイルの変化と関係している」と反論している。
 バス利用者の減少についてMTAは、若い世代がバスを利用しなくなったことや、市内の交通量の増加により、バスの運行速度が遅くなったことにも原因があるとしている。市交通局によると、マンハッタン区60丁目以南を走る車の平均速度は、2010年と比べ15年は12%落ちていた。

Jörg Schubert

Jörg Schubert