【21日付ニューヨーク・デイリー・ニュース】ニューヨーク州のトーマス・ディナポリ会計監査官はこのほど、ニューヨーク州都市交通局(MTA)が橋やトンネルのキャッシュレス化を進めたことで、通行料や罰金の未払い金が数千万ドルに上っているとする監査報告書を発表した。
MTAは、ニューヨーク市内で運営する7本の橋と2本のトンネルの料金所を撤去し、E-Zパスまたはナンバープレートの撮影により後日郵送される請求書から料金を回収するキャッシュレスシステムへ移行した。しかし、2012年11月から17年1月までに、通行料1130万ドル(約12億7000万円)が未払いまたは損失として計上されていた。また、13年から15年の間に、ヘンリー・ハドソン橋での未払い通行料に加算される手数料の未払い金も7200万ドル(約81億円)に達していたが、そのうち90%が免除されていた。
MTAはこの矛盾を、手数料は未払い抑止を目的とし、手数料の免除は回収率を高めるためと説明している。MTAは、通行料未払い車両の車両登録停止を求めることができるが、今年5月の時点で該当する1万421台のうち、州陸運局(DMV)に停止を申請したのは736台のみだった。
同報告書は、未払い金回収システムの開発などを提案しているが、MTAは「監査に使用されたデータは古く不適切」と反論している。