ボイラー故障で一酸化炭素中毒 医療班とっさの判断で4人救う

 24日午後11時ごろ、クイーンズ区ジャマイカ192丁目のアパートの住民から「気分が悪い」と通報を受け駆け付けたニューヨーク市消防局(FDNY)緊急医療班(EMT)の隊員が一酸化炭素漏出に気づき、とっさの判断で住民4人を退去させ命を救った。ボイラーの故障が漏出の原因とみられる。
 お手柄の2人は同区スプリングフィールドガーデンズのFDNY第54分署所属のEMT、サカ・コックスとフランツ・ホノリ両隊員。持参した一酸化炭素探知機が正確に作動し、両隊員が日頃の訓練の成果を十分に発揮したことで、悲劇を免れた。 
 無味無臭無色の一酸化炭素(カーボンモノキサイド)は人間が感知するのは不可能とされ、危険を察知できずに死に至るため「サイレントキラー(静かな殺人者)」とも呼ばれる。一酸化炭素を吸い込むと軽症の場合は、頭痛、吐き気、耳鳴りなどを起こす。「おかしい」と感じたときには体の自由がきかなくなり昏睡状態に陥り、呼吸困難と心不全で死亡する。助かったとしても脳機能障害などが残る。
 FDNYは、ボイラー、オーブン、ガステーブルなどの検査を定期的に行い、屋内で使用する際は十分に換気して同中毒を回避するよう呼び掛けている。

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