【27日付NY1】カージャックに遭い指を失ったタクシー運転手が、裁判官が下した判決を不服として26日、会見を開いた。
事件が発生したのは19日早朝。マンハッタン区198丁目辺りでマチェーテ(長なた)を持った17歳の少年2人がリチャード・デレオンさんのタクシーを襲った。デレオンさんは、フアン・カルロス・サンチェス被告とケニス・グズマン被告から乗客の女性3人を守ろうと慌てて車内に戻り反撃するも、右手の親指を切り落とされた。2人は逮捕されたが、裁判の結果、1人が200ドル(約2万2000円)の保証金で仮保釈された。
この判決にデレオンさんは不服を申し立て、ニューヨーク州タクシー運転手組合もデレオンさんと共に判決は不当だと意義を唱えている。組合の代表フェルナンド・マテオさんは、「デレオンさんは乗客を守るために立ち向かった結果、指を失う重傷を負い、乗客の1人も14針を縫うけがを負った。それにもかかわらず犯人が釈放されるとは到底納得いかない」と話している。
デレオンさんは「指を失った今、これまでと同じように働けるかどうか分からない。今後家族をどうやって支えていけばよいのか。精神的にもつらい毎日だ」とし、判決を見直すよう求めている。