地下鉄S線からも座席撤去 混雑と遅延の緩和目指し

 【11月29日付NY1】ニューヨーク州都市交通局(MTA)は11月29日、マンハッタン区のグランドセントラル駅とタイムズスクエア駅を結ぶ地下鉄S線(シャトル)の一部車両から、試験的に座席を撤去した。
 これは、収容可能人数を拡大することで、混雑と遅延の緩和を促すことができるかどうかを調査するためで、ラッシュ時は常に込み合うシャトルの全3両のうち、真ん中の1両から全ての座席が撤去された。地下鉄利用者からは、「車内に余裕ができた」「これが他の線なら問題だが、シャトルはたった1分間の乗車だから問題ない」と、取り組みに納得する声が聞かれた。一方、「身体障害を持つ地下鉄利用者にとっては、問題となるかもしれない」との声もある。
 MTAは既に、他線でも座席の撤去などを開始しており、10両編成のE線では最後尾車両の両端に設置された小人数掛けの座席を撤去、その後、L線の1車両に、朝夕のラッシュ時は格納される折り畳み式座席を導入している。しかし、ほとんどの座席を撤去するのはシャトルが初の試みで、これにより乗車可能人数がおよそ30人増える見込み。MTAは、座席の撤去などに対する地下鉄利用客の反応を見て、今後、さらに拡大するかどうかを決めるという。