【11月28日付amニューヨーク】ニューヨーク市の地下鉄で長年歌手として活動していた男性が、70歳にして初めてレコード会社との契約にこぎつけた。
この男性は、ビル・ハドソンさん。マンハッタン区ハーレム出身で、「6人の兄弟とタレントショーごっこをしながら、ジェームス・ブラウンなどの歌をまねして育った」という。その後は地下鉄の駅などをステージに、何十年にもわたって音楽活動を続けてきた。
チャンスが訪れたのは2015年、ハドソンさんがアカペラグループ「スパンク」のメンバーとして歌っていたときのこと。バックバンドのボーカルを探していたギタリストでソングライターのカイル・リドリーさんが通りがかり、ハドソンさんをスカウトした。意気投合した2人は、仲間を集めてソウルやロック、ブルース、R&Bを混ぜたバンド「ジョン・ザ・マルティル」を結成。そのユニークな音楽がプラス・ワン・レコードの共同創設者、ジョニー・カップスさんの目に止まり、10月に契約を結んだ。近々、10曲を収録したアルバムを発表するという。
ブロンクス区ユニバーシティハイツに一人で暮らすハドソンさんは、これまでを振り返り、「音楽と結婚したような人生だ」と語っている。