【3日付ニューヨークポスト】一部のニューヨーカーがメトロポリタン(MET)美術館に対し、「性暴力を巡る現状」からふさわしくないとして、少女の絵の展示中止を求める署名運動を1日に開始した。インターネットを通して行っている署名運動では、これまでに8500人以上の賛同者を集めている。
問題の絵はフランスの画家、バルテュスが1938年に発表した「夢見るテレーズ」。スカートをはき膝を立てて座り、下着がみえる姿の少女が描かれている。
展示中止を呼び掛けた起業家のミア・メリルさん(30)は、「METは、子どもを対象としたのぞき見趣味を美化している。女性の安全に関心が高まっていることを考慮して、絵が何を意味するのか考え、展示する作品を注意深く選択すべきだ」と批判している。
しかしMETは3日、展示中止の要請を拒否した。広報担当者は、「美術は現代だけでなく、さまざまな時代を反映させているもの。収集した貴重な美術品を研究・保存し、展示するのがわれわれの務めだ」と反論。また、「今こそ議論の時だ。美術は過去と現在を照らし出す最も重要な方法の1つだ」と述べている。
METでは2013年にバルテュスの回顧展を催していた。