【3日付ニューヨークタイムズ】「死の大通り」と呼ばれていたクイーンズ区の危険な道路が、ニューヨーク市が推進する交通事故死撲滅政策「ビジョンゼロ」により、安全な道路に変わりつつある。
7マイル(約11キロメートル)に及ぶクーンズブルーバードでは、1997年に18人が交通事故により死亡しており、90年から合計で138人の歩行者を含む186人が死亡していた。しかし、14年以降、交通事故による歩行者やサイクリストの死者が1人も出ていないという。交通事故死削減を目指す「ビジョンゼロ」計画の下、道路の再設計や、車より先に歩行者が横断歩道を渡れるよう信号機のタイミングを見直すなどの強制措置や安全性の改善を推し進めてきたビル・デブラシオ市長は、「死の大通りは、生の大通りに変わった」と述べ成果を強調した。
市全体では今年、11月21日までに、昨年同時期より11人少ない198人が交通事故により死亡しているが、このうち92人が歩行者で、昨年より41人減っていた。サイクリストの死亡は19人で、昨年より2人多かった。
一方、同政策についてはこれまでに、交通安全推進団体や地域の指導者らから「こう着状態にある」との苦情を受けている。