【14日付ニューヨークポスト】この時期、どこからともなく聴こえてくるのが、ビング・クロスビーが歌う「ホワイトクリスマス」。発表は第二次世界大戦まっただ中の1942年。戦場の米国兵の間で大ヒットし、さまざまな言語で500回以上もレコード化された。
作詞作曲は、アービング・バーリン。ベラルーシ生まれで、5歳のときに家族と共にニューヨーク市に移住した。バーリンは第一次世界大戦に徴兵されたため、曲には故郷を思う気持ちが込められているという。しかしこの曲の誕生には裏話がある。バーリンはユダヤ人のためクリスマスを祝う習慣はなく、28年12月25日に生後3週間の息子を亡くし、この日は毎年、妻と子どもの墓参りをすることにしていたというのだ。57年にはエルビス・プレスリーが同曲をレコードに吹き込んだが、プレスリーとロックンロールが嫌いだったバーリンはラジオ局にプレスリー版を流さないように働き掛けたが聞き入れられず、同曲を収録したプレスリーのアルバムはチャートでトップを記録した。75年4月には、サイゴンが陥落し、米軍はベトナムから撤退。その撤退完了の合図が米軍のラジオ局から流れる「ホワイトクリスマス」だった。