老舗書店ストランド店主死去 オンライン書店に負けぬ存在感示す

 【3日付ニューヨークポスト】マンハッタン区イーストビッレッジにある老舗書店「ストランド」のオーナー、フレッド・バスさんが3日未明、心不全のため亡くなった。89歳だった。
 バスさんは、父親のベンジャミンさんが1927年に創業した同書店を56年に受け継ぎ、小さな古本屋から世界中で知られる老舗書店にまで成長させた。「店を訪れるお客さんとの会話や、売買する本の宝との出会いを楽しみにしながらいつも働いていた」と娘のナンシー・バス・ワイデンさんは話す。当初、4番街にあった店をブロードウェーと12丁目に移したのもバスさんで、在庫の多さを示すキャッチコピーも当初は「8マイル分の本」だったのに対し、現在は「18マイル分の本」になり、古書と新刊本合わせて250万冊以上を販売している。
 オンライン書店などの台頭で他の書店がどんどん姿を消していく中、同書店は新書や希少本などに加え、音楽や映画、雑貨まで幅広い商品を扱い店舗を拡大、老舗書店としての地位を確立させた。バスさんは2010年に取材を受けた際、「家賃高騰がニューヨークの中小ビジネスを苦境に追い込んだとみんな言うが、私はそうは思わない。お客さんには何も提供せず、自分たちだけ守ろうとする経営者が多かったのが原因ではないか」と話していた。

ストランド・ブック・ストアの店主、フレッド・バスさん (photo: Brianne.sperber)

ストランド・ブック・ストアの店主、フレッド・バスさん
(photo: Brianne.sperber)

タグ :