妻名義の架空人件費で横領 障害児向け保育施設創設者夫婦

 【2日付ニューヨーク・デイリー・ニュース】ニューヨーク州高位裁判所は2日、州およびニューヨーク市の資金援助を受け運営されている、スタテン島にある学習障害児のための保育施設創設者夫婦を、重窃盗罪を含む複数の訴因で起訴した。夫婦は運営資金から75万ドル(約8500万円)以上を詐取したとされる。
 ジンジャーブレッド・ラーニング・センターの創設者で、ニュージャージー州に住むデニス・モーゼスマン被告は、勤務実態のない妻のエルシー被告に年間15万ドル(約1700万円)の給料を支払い、総額77万1000ドル(約8720万円)をだまし取っていたことが、トーマス・ディナポリ州会計監査官による2016年の会計監査で発覚した。両被告は盗んだ金を、自宅の庭の造園、メルセデスベンツなど車3台の購入および保険料の支払いなどに充てていた。
 両被告は同日の罪状認否で無罪を主張し、自己誓約により保釈された。
 1988年に設立された同センターは、同島内に2カ所の施設を持ち、約100人の障害児を対象に州の資金援助による授業やその他のサービスを提供している。また、2017年の市が資金援助する共通プリKの一覧表にも登録されている。
 市教育局によると、同センターの授業は通常通り行われるという。

同センターのウェブサイトで紹介されている被告ら

同センターのウェブサイトで紹介されている被告ら