【12日付amニューヨーク】マンハッタン区のコロンブス像など、物議を醸している像や記念碑のあり方について検討していたニューヨーク市の諮問委員会は11日、報告書を発表し、1つの像を除いて対象となった全ての像や記念碑を存続させるが、さまざまな議論についての説明文を付けることなどを提案した。
同委員会は昨年8月、バージニア州シャーロッツビル市で起きた死傷事件をきっかけにビル・デブラシオ市長が招集。市内の約800の像や記念碑を対象に検討を重ねてきた。その結果、コロンブス像については存続を認めたが、コロンブスが迫害した原住民の扱いを巡って問題が提起されている旨の説明文を付け、近くに原住民の記念碑を新たに建設するよう提案している。
奴隷に人体実験を行ったとの理由で、セントラルパーク内あるJ・マリオン・シムズ医師の像をブルックリン区のグリーンウッド墓地へ移転することや、アメリカ自然博物館前の、インディアン虐殺を正当化するなど人種差別色がみられたセオドア・ルーズベルト元大統領像には、解釈に論議があるとの説明文を添えることも提案した。
同市長は、「われわれの歴史は複雑で、解決は容易ではない。多様性を反映するよう努めたい」と話している。