火災から救出された少女が消防士に 16年ぶりの再会が実現

 【16日付ニューヨーク・デイリー・ニュース】16年前に火災現場から救出された少女がこのほど、ニューヨーク市消防局(FDNY)の消防士になった。
 21歳のアニサ・クルーズさんは16年前、ブロンクス区にあった自宅アパートで起きた火災に巻き込まれた。この事故でクルーズさんは父親を亡くしたが、本人と母親は現場に駆け付けた消防士のスティーブン・マクナリーさんによって救出され、一命を取り留めた。マクナリーさんは、激しく炎上するアパートに2度も入るなど勇敢な姿勢が評価され、勲章を授与されている。「母と共に感謝の気持ちでいっぱい」と話すクルーズさんは、自身も消防士になったことを報告するため、消防士養成校に通うため移住したフロリダ州から故郷に戻った。
 15日、既に引退していたマクナリーさんとの再会が実現。「あなたの名前をヘルメットの裏に刻んだ」と、これまでの活躍ぶりをたたえ、「父を亡くしてもこうやって生きてこられたのもあなたのおかげ。自分が救われたように、これからはたくさんの人を救っていきたい」と卒業記念のコインを渡した。マクナリーさんもまた、「あのとき救出した少女の成長した姿を見ることができて感激だ」と語った。

再会を果たした2人(FDNYのフェイスブック動画より)

再会を果たした2人(FDNYのフェイスブック動画より)