毎週第4金曜号掲載「My 養生・不養生」第5回 小川史洋先生 お酒はほぼ毎日、ときどき深酒 若いころは駆けつけ2杯を一気飲み

第5回 My 養生・不養生 
「健康的な生活をしましょうね」と日頃から患者に説いている医療専門家。プライベートでも健康に気を遣っているかというと、どっこいそうでもなかったりして!? 先生がたの意外な素顔を直撃インタビュー。

小川史洋先生
お酒はほぼ毎日、ときどき深酒
若いころは駆けつけ2杯を一気飲み

細胞を扱うために休日もラボに出勤するという小川先生。コーネル医科大学の研究室で

細胞を扱うために休日もラボに出勤するという小川先生。コーネル医科大学の研究室で


小川史洋 Fumihiro Ogawa, MD
外科専門医・呼吸器外科専門医(日本の免許)、医学博士。北里大学医学部卒業後、同大学病院呼吸器外科、がん研有明病院呼吸器外科などで約10年間臨床経験を積み、同大学大学院医療系研究科で医学博士号を取得。2014年からニューヨーク市のWeill Cornell Medical College, Dept. of Genetic MedicineでPostdoctoral Associateとして呼吸器疾患の基礎研究に従事。米国日本人医師会(JMSA)主催JMSA Life Science Forum 2018(4月7日NYUで開催)運営委員。和歌山県立桐蔭高等学校卒業。部活は硬式野球部。

—「飲兵衛」だと聞きました。
 はい。お酒はやめられないですね。飲みすぎないように注意はしているんですが。友達に誘われると(友人のアパートでの家飲み)、ついふらふらと夜9時ごろから出かけてしまって、飲み始めると止まらない。スローンケタリングで脳腫瘍の研究をしている韓国人と国連で働くマレーシア人が飲み仲間。さっきも「いつ飲みに行く?」ってメールが来ました。

—1回の酒量はどのくらい? 「休肝日」を設けていますか?
 普段は缶ビール1本に抑えていますが、飲むとなったら、缶ビール8本から10本空けた後にソジュ(韓国焼酎)、パイチュウ(アルコール度数が高い中国酒)、高麗人参酒などをちゃんぽんで。切れ間なくひたすら飲み続けます。3人とも大好きな激辛のチキンウイングをお供にして。そして飲みすぎた翌日は必然的に休肝日となります。でも、昔と比べて無茶飲みはしなくなったなあ。若いころは、駆けつけ1杯ならぬ2杯頼んで、それを一気飲みしてましたから。最近は12時になったら眠くなる。医者になった当初は3日間一睡もしなくても大丈夫だったのに。

飲み仲間のテワン・キムさん(写真右、韓国出身)、 エリック・ワン・ユージンさん(マレーシア出身)

飲み仲間のテワン・キムさん(写真右、韓国出身)、
エリック・ワン・ユージンさん(マレーシア出身)


—41歳なんてまだまだお若いですよ。お酒の上での失敗はありますか?
 これまでに意識が飛ぶほど飲んだのは数えるほどですかね。学生のころ、全国医学生交流会(医師国家試験対策委員会)の委員長をやっていて、他県に遠征に行った際の懇親会でへべれけになるほど飲んで、どうやってホテルに帰ったか覚えていない、というようなことがありました。僕の場合、意識がないのに、寝ぐらにたどり着くまではしっかりしているんです。だから、これといった失敗はないですね。意識がぶっ飛んだ翌日は毎回、何事も起こらなかったかという不安と懺悔の気持ちに苛まれていますが…。

—食べるものには気を遣っていますか?
 ニューヨークに来た当初、3年半前は、レストランもスーパーで売っているお惣菜も、「なんだこれは? まじか!?」と思うものがありましたが、今や何でも食べられます。「これがすし?」とびっくりするくらいまずいと感じたおすしも「おいしい」と感じるようになりましたもん。慣れというのは恐ろしい(笑)。
 日本でも好き嫌いなく何でも食べていましたが、こっちに来てからさらに食事の幅が広がったと思います。以前は食べ物に関してほとんど冒険しませんでしたが、今はけっこう冒険しますね。何でも食べてみたいと思います、虫以外だったら。
 日本にいたころは、食材の生産地を見て、買うか買わないかを決めていたけど、それも全く気にしなくなりました。以前はファーマーズマーケットや日系食料品店で購入した食材を使っていたけど、食費が高すぎて…。研究員はお金がないんです。農薬、添加物? ま、いいかって感じです。背に腹は代えられませんからね、生きていくためには…(笑)。

—体にいいことは何かしていますか?
 なるべく外食をしないで、妻が作ってくれたご飯を食べることかな。もちろんランチも毎日妻が作ってくれるお弁当です。土日はできる限り僕が作ります。 パスタやお好み焼き、最近は鍋。料理って気分転換にもなるし。それと週末は必ず子どもと遊ぶことですね。僕が住むルーズベルト島では、4月から6月は野球、9月から11月はサッカー、12月から3月はバスケットボールと早朝テニス、季節に応じたスポーツを子どもに無料提供してくれていて、トーナメント戦までやるほど盛んなんです。僕はアシスタントコーチをしているんですが、子どもたちの素直な反応を見るのが面白い。(僕の)英語が不十分でも、(子どもたちは)僕を楽しませてくれる。子どもたちと一緒に体を動かすのって最高ですよ。

—買い出しも歩いて行かれるとか。
 ルーズベルト島からコスコ(Costco)までの30分、家族全員で歩きます。ルーズベルト橋からルーズベルト島とイーストリバー、マンハッタンが一望できて、すごく気持ちいいんです。ブライアントパークにスケートに行ったときも、パークからトラムの駅まで歩きます。なんか普通すぎますけど、楽しいんですよ〜、これが。

ルーズベルト島ユースプログラム主催のサッカーリーグでは、長女の真央ちゃん(前列右)属するソフモアズチーム、長男の真平君(前列左)属するマイナーチーム共に2年連続優勝を果たした。中央は次女の莉央ちゃん、後列左は妻の雅代さん

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コスコまでの30分の道のり、「寒くてもへっちゃらだよ」

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