【4日付CBSニューヨーク】ニュージャージー州議会下院の健康委員会および上級委員会は1月29日、メンソールたばこの販売を禁止する法案を可決した。今後予算委員会で審議される見通しで、法制化されれば全米で初めて州内全面禁止となる。上院には同様の法案は提出されていない。
メンソールたばこは爽快感があり若者の喫煙への入り口になりやすいとの指摘があるだけでなく、他のたばこよりも発がんリスクが高いとの研究結果が発表されている。法案を提出したハーブ・コナウェー議員(民主)は医師の資格も持つが、「メンソールの清涼効果で有毒物質が肺に入りやすくなる」と説明した。
これに対し、法案に反対する議員らは「州で禁じても隣接する他州で買うだけ」と効果を疑問視。また同州内の食品小売店業界はメンソールたばこの売上げが全体の35から40%を占めるといい「商売が成り立たない」と反論している。さらに同州ではたばこからの税収が毎年7億5000万ドル(約819億円)に上り、税収の減少を懸念する声もある。
地方自治体としては、カリフォルニア州サンフランシスコ市が2016年、メンソールたばこの販売禁止法案を全米で初めて承認。欧州連合(EU)でもメンソールたばこの販売を禁止する法令が可決され、20年5月に施行される予定だ。