マンハッタン区の「ユニオン・スクエア・カフェ」などの有名レストランを運営するユニオン・スクエア・ホスピタリティ・グループ(USHG)のCEO、ダニー・メイヤーさんはこのほど、系列店でチップを廃止したことで、30から40%の従業員が退職したと明らかにした。テキサス州で1月30日まで開催された、レストラン業界における各功労者をたたえる賞「ワークプレイス・レガシー・アワード」の授賞式で語った。
チップについて問われたメイヤーさんは、「この業界は、ホスピタリティーの精神をもつ人にとっては最適の環境。しかし、常に専門的かつ経済的な進歩を求められる」と述べた。また、これまでチップをもらっていたフロント従業員と、もらっていなかったキッチンなどの裏方従業員の間で賃金の差が大きく開いていたことも指摘。1985年からチップ廃止に至るまで、前者の賃金上昇率が300%だったのに対し、後者は25%にとどまっていた。USHGでは、チップ廃止後、裏方従業員の賃金が20%増加したとされる。
チップ廃止を歓迎しないフロント従業員らは退職したが、その後入社した従業員らは「ホスピタリティーの精神を理解し、プロとして業務に当たっている」という。