日本の弁当と米国のデリ形式を融合した「BENTO on demand(ベントウ・オン・デマンド)」が好評だ。「BentOn Cafe ミッドタウン店」はリニューアルオープンし、オリジナルの BENTO を提供するカウンターを導入。19日(月)からはラーメンとお酒の提供も始める。
「弁当」+「デリ形式」=「BENTO on demand」
東京の老舗弁当店に生まれた BentOn 社長、古川徹さんは「弁当を米国に広めたい」と来米。既にパッケージされた、常温の弁当文化を米国人に受け入れてもらうために、カウンター越しに具材を注文し、好きな組み合わせにするデリ形式に注目。弁当に応用して生まれたのが「BENTO on demand」だ。日本食特有の「いろいろな料理を少しずつ」が叶い、直前まで保温、保冷された「BENTO」が実現した。
ミッドタウン店に足を踏み入れると、奥に BENTO on demand のカウンターが見える。カウンター沿いに右から左に歩きながら、ガラス越しにおかずを見て決め、スタッフに注文して特製の仕切り箱に入れてもらう。選べるのは照り焼きチキンや鮭など「メイン」8種類から2品、野菜や豆料理など「サイド」8から12種類(日によって異なる)のうちから4品、計6品だ。サイドは白米、玄米、すしからも選べる。
おかずだけ単品でも買える。ガラス越しにおかずを選んで買うのは、まるで日本の「デパ地下」で買い物をしている感覚だ。古川さんは「日々の料理に1品足すのも、おかずの持ち寄りパーティーにもおすすめ」とさまざまな活用法を提案している。
健康志向のニューヨーカー向けに、おかずは野菜が中心。紫キャベツやゴボウ、ケールや豆料理、芋料理なども豊富に取りそろえた。人気の定番メニューは常時用意し、日替わりも充実。味も日本のものと変えていない。古川さんは「本物の、オーセンティックな日本食の味をニューヨーカーに伝えたい」と話す。
「来てみて楽しさ味わって」
初めてでもスムーズに注文できる工夫も満載だ。カウンターに「ORDER(注文)」の看板を付けた他、導線もロープと木製のポールで仕切った。加えて、店頭の説明書きはシンプルにし、スタッフが口頭で説明する方法に変えた。スタッフから積極的に客に話し掛けるこの方法にしてから、スタッフと客との会話も増えた。それも1つの楽しみにしてもらいたいという。「まずは来てみて、楽しさを味わってほしい」
ミッドタウン店の出だしは好調だ。日本人常連客はもちろん、毎日同じ組み合わせの BENTO を買う米国人客も少なくない。今後も新店舗を開店していき、目標はマンハッタン区内10店舗開店だ。古川さんは「ミッドタウン店の成功次第では、今年中に新たに1店舗開店できるのでは」と自信をのぞかせる。
他にも挑戦したいことがある。企業の社員食堂などに on demand のシステムごと出張する、「出張 on demand」。社内で自分だけのオリジナルの BENTO を、温かいまま食べられる日も遠くないかもしれない。
IZAKAYA on demand考案中!
今月19日(月)からは午後5時からのディナータイムに、2017年にマンハッタン区にオープンしたラーメン店「麺屋二郎」とコラボレーションし、スープやトッピングが選べるラーメンや、スープの代わりにソースを絡めて食べる混ぜ麺の提供を始める。お酒と小鉢も用意し、およそ18席の店内で食べることもできるようになる。今後も夜のメニューを発展させていき、お酒に合う好きな組み合わせのおつまみが食べられる「IZAKAYA on demand(イザカヤ・オン・デマンド)」として打ち出そうと考案中。ダウンタウン店では間もなくスタートさせる予定だ。常に新しい可能性を模索し、進化し続ける BentOn から目が離せない。
www.benton.nyc
【ミッドタウン店】156 E. 45th St.
(bet. Lexington & 3rd Aves.) Tel : 646-436-1975
【ダウンタウン店】123 William St.
(bet. Fulton & John Sts.) Tel: 212-608-8850