【15日付カーブドニューヨーク】昨年、マンハッタン区金融街のチャージングブル(突進する雄牛)像の前に立ちはだかるように設置されたフィアレスガール(恐れを知らぬ少女)像の永久的な移転場所をニューヨーク市が探している。
昨年の国際女性デーの前日である3月7日、資産運用会社ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズは、彫刻家のクリスティン・ビスバルさんがデザインした高さ50インチ(約1.3メートル)の少女像を雄牛像の前に設置した。少女像は設置以来、市の観光スポットとなり訪れる観光客数が急増。交通渋滞など安全面を考慮した市は、同広場の再設計を検討し、2つの像をより歩行者に優しい場所に移すことを考えている。
少女像は、企業が女性役員を増やすよう求める運動の一環として設置されたものだが、同社は過去に女性やマイノリティーの従業員に対して不当に低い賃金を支払っていたとして昨年、500万ドル(約5億3600万円)の和解金を支払っている。
チャージングブル像を制作したアーチェロ・ディ・モディカさんは、「真のフェミニストの立場からの発言ではなく、単なる宣伝活動だ」として、何度も少女像の撤去を求めている。