【26日付ニューズデイ】同性愛者であることを理由に解雇されたのは性差別だとしてロングアイランドの男性が雇用主を提訴していた裁判で、マンハッタン区の連邦控訴裁判所は26日、職場での性差別を禁止する公民権法には「どの性別を恋愛や性愛の対象とするか」という性的指向も含まれるとの判断を下した。同性愛指向の労働者を保護する画期的な判決として注目を集めている。
スカイダイビングのインストラクターだったドナルド・ザルダさんは2010年、勤務していたロングアイランドのスカイダイビング学校、アルティチュードエクスプレスで女性客に同性愛者であることを告白。女性客が「ゲイと一緒に空を飛ぶのは不快」と苦情を申し立て、同校はザルダさんを解雇した。ザルダさんは1964年の公民権法が禁じる性差別を受けたとして同校を提訴。下級裁判所で敗訴し、本人は15年に事故で死亡。遺産管理人が裁判を続けていた。
陪審員の判決は10対3。多数意見は、公民権法による保護内容は変化を遂げていると指摘。「性的指向による差別は、少なくとも部分的に、性別による差別に基づいている」との見解を示した。少数意見は「何を差別とするかは米議会が決めるべきだ」と反論した。米司法省も少数意見を支持する立場を表明している。