【6日付NBCニューヨーク】いじめを発見した場合は保護者に報告するよう、学校側に義務付ける法律に注目が集まっている。
3年前、当時12歳だった息子のジャコブくんを自殺で亡くしたリチャード・タラスさんと妻のクリスティーンさんは、ジャコブくんが残した遺書を見るまでいじめの実態を知らなかったという。遺書には「ゲイと言われ、突然押し倒されたり殴られたり、死ねと暴言を吐かれることに疲れた」とつづられていたが、リチャードさんは「学校側から報告は受けていなかった」と話す。
2人は現在、学校側がいじめを発見した際、保護者への報告を義務とする法律の制定に向けて取り組んでいる。「ジャコブ法」と名付けられた法案は、既にニューヨーク州議会の上院では可決されたが、下院での決議が鍵となりそうだ。
全米8州で同様の法律が導入されているが、中には両親に性的指向について打ち明けることができない子どももいることから、LGBTQ団体から「保護者がいじめの実態を知りたいと思うのは当然だが、それを伝えることで子どもとの関係が壊れる恐れもある」といった懸念の声も聞かれている。また、「子ども自身のプライバシーの侵害でもある」との意見もある。