【7日付NY1】ニューヨーク市内にある8つの「エリート校」での人種格差が埋まっていないとして、デブラシオ市長政権に批判が集中している。
スタイブサント高校やブロンクスサイエンス高校などをはじめとする8つのスペシャライズド高校は「学業、芸術面で卓越した才能を持つ生徒」を教育するエリート校として人気だが、市教育局が7日発表した今年度の合格者のうち、黒人やヒスパニックは全体の10%にとどまっていた。スペシャライズド高校の入学は試験の得点のみで決定するため、入試に備えて子どもを塾に通わせる保護者もいるなど、経済格差が学力の格差につながっていることが分かる。
市は昨年、無料の入試対策講座を開始したが、昨年度と合格者の人種格差は変わっていないのが現状だ。中でも最も優秀とされるスタイブサント高校に合格した902人のうち黒人の生徒はわずか10人。ブルックリンカレッジのデイビッド・ブルーンフィールド教授は、「本来は誰に対しても平等であるべき受験が親の経済力によって左右されている」と指摘する。
同市長は試験の得点みで合否判定する制度を廃止しようとしているが、いまだニューヨーク州の法律にてこ入れができていない。新たに就任する教育局長にとっても難題となりそうだ。