11日夜、リバティヘリコプターがイースト川に墜落、乗客5人全員が死亡した。事故機から脱出し助かった操縦士のリチャード・バンスさん(33)が連邦運輸安全委員会の取り調べに対し、「乗客の荷物が緊急停止ボタンに触れたために墜落した可能性がある」と話していることが明らかになった。CNNなどが伝えた。
同機は同日午後7時ごろ、イースト川のルーズベルト島北端付近に墜落。機体は着水後、転覆した。シートベルトを装着していた乗客5人は自力で脱出できず、ニューヨーク市消防局(FDNY)や市警察(NYPD)の救急班がクレーン付き荷船を出動させ、機体を23丁目付近で引き上げシートベルトを切断して救助したが、全員死亡が確認された。事故当時の水流は時速4マイル(6.4キロメートル)だった。死亡したのは26歳から34歳の男女で、写真撮影用に同機をチャーターしていた。
観光ツアー用として知られるリバティヘリコプターは2009年8月、イースト川上空で小型飛行機と衝突、9人が死亡するなど過去11年間に3回墜落事故を起こしている。連邦航空局の広報担当によると、今回の事故機およびバンスさんは過去に事故歴がなく操縦停止命令も出されていないという。