【9日付カーブドニューヨーク】2012年に米東部を襲ったハリケーン・サンディの被害を受けたハドソン川の下を通るトンネルの修理と新たなトンネルの建設を目的としたゲートウェー計画が、トランプ大統領の就任以来、先行き不透明となっている。
ニューヨークおよびニュージャージー州とオバマ前大統領は、同計画にかかる費用130億ドル(約1兆3900万円)の半分を両州が、残りの半分を連邦政府が負担することに合意した。しかしトランプ大統領は、同計画に充てる予算を米国とメキシコの国境に建設する壁など、現政権が優先させる事項に充てるため、同計画に反対の考えを示している。大統領は、連邦議会が投票に付す予定の1兆ドルを超える支出法案に同計画の費用を含む場合、支出法案全体に拒否権を行使する意向だという。ハドソン川下のトンネルは連邦政府が所有しており、作業開始前に破損しダイヤの乱れなどが生じた場合は連邦政府が責任を負うこととなる。
米労働総同盟産別会議(AFL-CIO)のラリー・I・ウィリス運輸・通商局長は、「大統領選の間、全米のインフラを再建し雇用を創出すると約束していた大統領がこのように考えを変えるとは理解しがたい」と批判した。