UWB使用など優秀6案 地下鉄改善「ジーニアス」コンテスト

 【9日付メトロニューヨーク】114年前に運行を開始し、老朽化が目立つニューヨーク市の地下鉄。状況改善が叫ばれる中、ニューヨーク州都市交通局(MTA)は9日、改善案を募るコンテストで優秀案に選ばれた2人および6社を発表した。中には提案具現化のために賞金を使いたいと申し出る人もいるなど、事態が進展しそうだ。
 地下鉄の度重なる遅れで非常事態宣言が出された昨年の夏、MTAはコンテスト「ジーニアス・トランジット・チャレンジ」を実施。運搬能力と信頼性回復のための提案を世界中から募った。438の案のうち6つを優秀案として選定。うち2つは同様の案のため、選ばれたのは2人および6社となった。
 信号機の問題解決には、高速通信ができる超広帯域無線通信技術(UWB)を使う案とセンサーで位置確認を行う案が選ばれ、1人と3社にそれぞれ賞金25万ドル(約2670万円)が贈られた。車両の改善には、車両を長くする案と軽くする素材を使う案、ソフトウエアを改良する案が選ばれ、1人と2社にそれぞれ33万ドル(約3520万円)が、また通信設備の改善にはロボットを使う案が選定され、1社に33万ドルが渡された。
 MTAは「これらの案は改善への時間と費用を大幅に削減する」と述べている。