11日夜、イースト川にヘリコプターが墜落、転覆し乗客5人全員が溺死した事故で、シートベルトは通常より外れにくいものが使われていたことが分かった。ABC7などが伝えた。
事故機は写真撮影用ヘリの手配を専門とするFlyNYONが運営。同社によると事故機は機体から体を乗り出して撮影できる「オープンドア」式で、シートベルトは通常よりも複雑なものを使用していた。4本のベルトと8つの留め具で上半身を固定し、背中部分の金具で機体に固定されていた。11日、救助に当たったニューヨーク市消防局はシートベルトを切断して乗客5人を引き上げた。操縦士は自力で脱出して無事だった。
同社が飛行前に乗客に見せる3分間の安全ビデオで、緊急時のシートベルトの外し方を映したのは20秒間。乗客は脱出訓練も受けていなかったという。元パイロットの航空専門家、JP・トリスタニさんによると、着水した機体はエンジンの重みで逆さまになる。「乗客が水の流れを理解し、複雑なシートベルトを外して脱出するのは不可能だった」と話した。
死亡したトレバー・カディガンさん(26)の両親は13日、操縦士と同社など3社を相手取り「安全に避難できる見込みはなく、重大な過失があった」と提訴した。