【13日付ニューヨーク・デイリー・ニュース】ニューヨーク市内の公立校で教員による差別行為が相次いだことを受け21人の市議会議員らはこのほど、教員向けのアンチバイアス研修実施を求めた提案書に署名した。
ビル・デブラシオ市長宛ての書面では、多様性を推進するカリキュラムを指導する教員を対象とした研修制度の導入や、市教育局内に文化的感受性教育に特化した部署を設立するよう要請している。先月、ブロンクス区の中学校で勤務する社会科の教員が黒人生徒を奴隷に見立てて授業を行っていたことが発覚。同区の別の中学校では校長が黒人歴史月間の授業を中止させている。また、ブルックリン区の幼稚園のPTAが、黒人以外の人種が顔を黒塗りし黒人に扮する「ブラックフェイス」を用いたチラシを配るなど、差別的な行為が相次いで発覚している。
議員らは、「多様な背景を持つ人たちで構成されるニューヨークに暮らす子どもたちが学校で差別されるとは言語道断である」と主張。署名したマーク・トレイガー議員(民主)は「教室での差別をなくすためにはまず、教員らを教育することが重要だ。教員が研修を受けることによって、子どもたちやその家族が暮らしやすい寛大な社会を築くことができる」と訴えた。