【14日付CNN】米国航空宇宙局(NASA)は、宇宙に約1年間滞在したニュージャージー州出身の宇宙飛行士の遺伝子の一部に長期的な変化があったとの研究結果を発表した。
宇宙飛行士のスコット・ケリーさんは一卵性双生児。全520日間の宇宙任務のうち、2015年から16年に国際宇宙ステーション(ISS)で340日間を過ごし、同年3月に地球に帰還した。NASAは「双生児調査」と題して、スコットさんの生命維持に必要な代謝物や免疫システムから分泌されるタンパク質について、宇宙滞在の前、中、後のデータを収集。その間地上にいた同じく宇宙飛行士の一卵性の双子、マークさんのデータと比較した。その結果スコットさんのDNAの約7%が、帰還後約2年たっても正常に戻らないことが判明。マークさんのものと一致せず、もはや一卵性双生児ではなくなったという。
NASAは、スコットさんの体で変化した約7%の「宇宙遺伝子」は、少なくとも5種類の生物学的経路や機能によって免疫系に関連する遺伝子に長期的な変化が生じたことを示していると説明。宇宙滞在は酸欠によるストレス、炎症の増加、栄養状態の激変が伴い、遺伝子に影響を及ぼしたと指摘した。