卒業式列席には薬物セミナー必須 NJ州の郡教育長、「家族への教育必要」

 【25日付CBSニューヨーク】ニュージャージー州ミドルセックス郡の教育長がこのほど、オピオイド系鎮痛薬のまん延防止のため、卒業式への列席を希望する保護者に薬物セミナーの受講を義務付けるという新たな対策を発表した。
 デイビッド・チッタディノ教育長は、同区オールドブリッジ学区の公立校8年生の保護者および後見人に宛て、「生徒の卒業式に列席する場合、家族の代表者がオピオイド系鎮痛薬の使用と中毒についての1時間のセミナーを受講しなければならない」とする文書を送達した。同教育長は、オピオイド系鎮痛薬の過剰摂取により死亡した卒業生の通夜や葬式に何度か参列し、家族を教育することの必要性に気づいたという。
 4月に3回実施される同セミナーでは、薬物乱用の兆候について学ぶことができるというが、一部の保護者からは「保護者へのセミナーと卒業式列席は関係ない」と批判の声が上がっている。一方、「薬物乱用の知識がないため、このような機会があるのは素晴らしいことだ」と歓迎する声も聞かれた。
 同教育長は過去にも、オピオイド系鎮痛薬の危険性に関する任意のセミナーを開催しているが、参加者は少なかったという。

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