【27日付ABC7】NYPDの性犯罪特捜部(SVD)について、ニューヨーク市捜査局(DOI)は27日、慢性的に人手不足で、捜査手法にも問題があるとの報告書を発表した。捜査官数を倍増すること、施設を改善して被害者の精神的苦痛を緩和することなどを提案している。
報告書によると、性犯罪捜査に当たるSVD捜査官は67人。昨年の市内の性犯罪事件は5661件で、その多くは分署の警官の捜査に委ねられていた。昨年の性犯罪認知件数は2009年に比べて65%増加、NYPDは10年と11年にSVDの仕事量が増えていると認識したにもかかわらず捜査官を増やさず、対応が手薄になっているという。
また、報告書はSVDの施設が不衛生なこと、捜査に使うソフトウェアが旧式で不十分なこと、担当者の経験不足なども指摘。「NYPDの性犯罪捜査は不十分で起訴を危うくし、被害者には二重の苦痛を与えている。性犯罪を報告しようとする意思も削がれ、公共の安全に悪影響が出ている」と批判した。
一方で、NYPDのJ・ピーター・ドナルド広報官は報告書を「誇張している」と反論。「不正確で誤解を与える。SVDが性暴力被害者と築いた信頼関係を揺るがしかねない」と不快感をあらわにした。