パイプを銃と誤認、警官が男性射殺 NYPDは正当性を主張

 【5日付NBCニューヨーク】ニューヨーク市警察(NYPD)の警官がブルックリン区クラウンハイツで、手に持ったパイプを銃と誤認し、アフリカ系米国人のサヒート・バッセルさん(34)を射殺した4日の事件について、ニューヨーク州検事当局が5日、捜査に乗り出した。
 4日夜、「通行人に銃を向けている男がいる」との3件の911番通報を受けたNYPDの警官4人が、同区ユティカ街とモンゴメリー通りの現場に到着すると、バッセルさんが銃のようなものを両手で持ち、警官らを撃つような構えを見せたため、警官らはバッセルさんに向けて10発発砲した。しかし、バッセルさんが持っていたのは持ち手の付いた金属製のパイプで、銃は発見されなかった。バッセルさんは搬送先の病院で死亡した。警官4人はいずれもボディーカメラを装着していなかったが、バッセルさんが通行人に銃のようなものを向けている姿は防犯カメラに映っていた。
 バッセルさんの両親によると、バッセルさんは双極性障害を患っていたが他人に危害を加えることはなかったという。「警察に対する怒りはないが、射殺する前に武器を捨てるよう警告するべきだった」と話した。
 NYPDは、「精神障害をもつ人がいるとの通報ではなく、通行人に銃を向けている男がいるとの内容だった」と対応の正当性を主張した。

NYPDが公開した防犯カメラの映像

NYPDが公開した防犯カメラの映像