「マルコムX」セーターは禁止 高校生が学校を提訴

 【5日付ニューヨーク・デイリー・ニュース】クイーンズ区のクライストキング高校に通う男子生徒(17)が、希望する文言をセーターに印刷することを禁じられたのは人権侵害に当たるとしてこのほど、同高校を提訴した。
 同校は、卒業記念として4年生全員に生徒が好きな文言をセーターに印刷し贈ったが、マルコム・X・クームスさんだけは名前を入れるのを断られたという。クームスさんの名前は、黒人公民権運動の活動家として著名で、1965年にマンハッタン区ワシントンハイツで暗殺されたマルコムXにちなんで付けられたものだが、マルコムXは攻撃的な活動を主導していたこともあり、ベロニカ・アルビテーロ教頭は「過激派として知られるマルコムXとの関わりは見せない方がよい」と判断、セーターへの印刷を許可しなかった。
 クームスさんを支援する公民権保護団体は、「キング牧師没後50年、このような差別が依然として社会に渦巻いている。許せない」としている。クームスさんは「クラスメートと同じように自分の名前が印刷されたセーターを着て卒業を祝いたい」と話している。