「100年前の教会取り壊すな」 住民奮起も望み薄

【5日付カーブドニューヨーク】ブルックリン区ディトマスパークで、100年ほど前に建てられた教会を取り壊して住居ビルを建てる計画が進んでいる。教会を解体の危機から守ろうと、地元住民はこのほど、歴史的建造物保存委員会に保存申請を提出した。地元紙ブルックリン・ペーパーが報じた。
報道によると、この教会はコーテルユー通りとオーシャン街の角に立つバプティスト・チャーチ・オブ・ザ・リディーマー。所有者が昨年5月、9階建ての低所得者向け住居ビルに建て替える計画の認定を、今年2月には取り壊し許可を求め、市建築局に申請した。同教会も管理費用がかさんできたことを理由に取り壊しに賛成、低所得者向け住居は地域に恩恵をもたらすと表明している。
これに対し、住民は同教会が1919年に建設され歴史的価値があること、同区の有名な建築家、フランク・ヘルムルがデザインしたこと、計画中の住居ビルが9階建てと突出しており周囲の景観と調和しないことなどから、市の歴史的建造物として保存申請を提出した。
保存委員会事務局が現在書類審査中だが、提出が遅く、取り壊し計画が進んでいることから、教会を保存できない可能性が高いという。