【17日付ニューヨークタイムズ】マンハッタン区のニューヨーク州高位裁判所は17日、ニューヨーク市住宅局(NYCHA)に、運営する公共住宅で鉛含有塗料の検査を行うことを命じた。
NYCHAは2013年から16年までの間、連邦法および地方条例が義務付ける鉛含有塗料の検査を怠っていたにもかかわらず、「検査をしたが問題が見つからなかった」と米住宅都市開発省に虚偽の報告書を提出していたことが、市捜査局が昨年11月に発表した報告書により発覚。NYCHAもこれを認めた。同裁判所のキャロル・R・エドミード判事が下した強制命令では、13年から16年までの間に検査が義務付けられていたにもかかわらず、実施されなかった数千戸の住宅を特定し、90日以内に検査を実施するよう求めている。
NYCHAは昨年10月以降条例に従い、請負業者を雇って、6歳未満の居住者がいる8900戸の住宅のほとんどで検査を行ったと主張しているが、公共住宅の住民を代理する弁護士は「13年から16年の間に6歳未満だったが、今は6歳以上となった子どもがいる世帯も含めるべき」と主張している。塗料片などに含まれる鉛は、幼児を中心に深刻な健康被害や発達障害を引き起こすことが知られている。
今月9日にはビル・デブラシオ市長が、ショーラ・オラトイNYCHA局長が今月末で辞任することを発表している。