トランスジェンダー受刑者に配慮 NY市、心の性に合った施設で拘置へ

【17日付amニューヨーク】ニューヨークのビル・デブラシオ市長は16日、心と体の性が一致しない「トランスジェンダー」の受刑者を、心の性に合った施設で拘置する新方針を発表した。​市矯正局は今後半年以内の実施を目指し、月2回のペースで人権委員会に進捗状況を報告する。​
市は2016年、各行政機関に、トランスジェンダーの職員が心の性に合った施設を使える配慮を義務付ける行政命令を出した。しかし受刑者はこの例外とされてきた。新方針では人権委員会の調査に基づき、トランスジェンダーの受刑者は心の性に合った施設での拘置または14年に建設されたトランスジェンダー専用棟への移送のどちらかを選べるようになる。市長は「市は、全市民の権利と安全を守る責任がある。トランスジェンダーの受刑者が拘置された場合も同じだ」と述べた。
同局によると17日現在、市内の受刑者のうち26人がトランスジェンダー、1人が既存の分類に当てはまらない性、と申告。これらの受刑者は専用棟に移送される。専用棟には現在12人の受刑者が収監されているという。同局のシンシア・ブラン局長は「受刑者の性認識を尊重し、人道的で安全な拘置体制を強化していく」と話した。