【6日付ニューヨークタイムズ】2016年に96歳で亡くなったブルックリン区のシルビア・ブルームさんが働き続けて貯めた624万ドル(約6億8000万円)が今年2月、経済的に恵まれない子どもが大学に進学するための奨学金として寄付されていたことが分かった。
寄付金はブルームさんが亡くなる直前までマンハッタン区の弁護士事務所で約67年間、秘書として働きながら密かに蓄えた約900万ドルの一部。姪のジェーン・ロックシンさんが遺言に従いマンハッタン区の慈善団体、ヘンリー・ストリート・セトルメントに寄付した。同団体によると、個人による寄付金では創立125年の歴史で最高額だという。
ロックシンさんは「(ブルームさんは)上司の私生活の世話もする、古いタイプの秘書だった。上司が株を買うのを手伝った後に、懐が許す限り自分でも同じ株を買っていた」と話した。ブルームさん名義で11の銀行に分けて蓄えられており、2002年に亡くなった夫も貯金について知らなかった可能性があるという。
ブルームさんは東欧系移民の家庭に生まれ、大恐慌時代にブルックリン区で育った。子どもはなく家賃規制アパートに住み、地下鉄で通勤。非常につつましい生活ぶりだったという。